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法定相続情報一覧図を徹底解説│取得方法・必要書類・メリットをわかりやすく紹介

スタッフブログ

2026.07.10

こんにちは。北斗司法書士事務所の新人スタッフmです。
ご家族が亡くなられた後、相続の手続きを進めようとすると「戸籍謄本の束を何度も提出しなければならない」という壁にぶつかる方が少なくありません。銀行、法務局、証券会社…提出先が増えるたびに同じ戸籍謄本一式を用意し直すのは、大きな手間と時間がかかります。

そんな相続手続きの負担を大きく軽減してくれるのが「法定相続情報一覧図(ほうていそうぞくじょうほういちらんず)」です。本記事では、法定相続情報一覧図の基本情報から具体的なメリット、さらに取得方法までを詳しく解説します。相続手続きをスムーズに進めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

また、鹿児島で相続手続きをお考えの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。地元密着型の対応で、相続に関するお悩みをサポートいたします。

法定相続情報一覧図とは?

参考:法定相続情報証明制度について(法務局HP)

法定相続情報一覧図の概要

法定相続情報一覧図とは、亡くなった方(被相続人)と法定相続人の関係を一枚の図にまとめた書類のことです。相続人が戸籍謄本等の必要書類を法務局(登記所)に提出し、登記官がその内容を確認したうえで認証文を付けて交付するもので、これを「法定相続情報証明制度」といいます。

一覧図には、被相続人の氏名・最後の住所・最後の本籍・生年月日・死亡年月日、そして相続人の氏名・住所・生年月日・続柄が記載されます。認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」があれば、この一枚だけで戸籍謄本の束の代わりとして相続関係を証明できます。

法定相続情報証明制度の目的と背景

この制度は、相続登記を促進する目的で平成29年(2017年)5月29日に運用が始まりました。

この制度が創設された背景には、「所有者不明土地問題」や「空き家問題」など相続登記が行われないことによって発生する深刻な社会問題があります。相続登記が行われないまま放置された不動産が増えたことで、誰の所有か分からない土地が全国的に増加し、公共事業や地域活性化の妨げとなっていました。

こうした事態を改善するため、法務省は「相続登記の促進」を目的に、相続関係を簡潔に証明できる制度として、法定相続情報証明制度を導入しました。

さらに、令和6年(2024年)4月1日からは、相続登記が義務化され、相続の開始(=被相続人の死亡)を知ってから3年以内に登記手続きを行うことが法律で定められました。この義務化により、相続手続きの迅速化・簡素化がこれまで以上に重要視されています。

法定相続情報一覧図は、こうした背景のもとで生まれた制度であり、今後の相続手続きを「効率よく・正確に・スムーズ」に進めるための重要なツールとなります。

法定相続情報一覧図の利用場面

法定相続情報一覧図の写しが利用できる主な場面は次のとおりです。

・不動産の相続登記(名義変更)
・被相続人名義の預貯金の払戻し・解約手続き
・相続税の申告
・株式など有価証券の名義変更手続き
・自動車や船舶の名義変更手続き
・被相続人の死亡に起因する年金等の手続き

このように、相続登記だけでなく、金融機関や行政機関など様々な相続関係手続きに利用できる点が大きな特徴です。利用できるかどうか不明な場合は、事前に提出先の機関に確認することをおすすめします。

法定相続情報一覧図を取得する3つのメリット

1. 提出書類の簡略化と手続き時間の短縮

銀行などで相続手続きを行う際、通常は被相続人の戸籍一式を提出し、担当者が戸籍を読み解いて相続関係を確認する必要があります。

しかし、法定相続情報一覧図を提出すれば、戸籍の束を提出する必要がなくなり、相続関係も一目で確認できるため、手続きがスムーズに進みます。

2.交付手数料が無料・再発行が可能

法定相続情報一覧図は、必要な枚数に応じて無料で取得でき、枚数制限はありません。提出先が多い相続ほど、コストの負担を気にせず利用できます。

また、法定相続情報一覧図は、法務局で申出日の翌年から起算して5年間保存されます。この期間内であれば何度でも無料で発行可能です。

複数の相続手続きを予定している場合でも、手数料を気にせず必要な部数を取得できるのが大きな利点です。

3.複数の相続手続きを同時進行できる

法定相続情報一覧図は1枚に限らず必要な部数を発行してもらうことができます。
そのため、一覧図があれば、金融機関や法務局など複数の相続手続を同時並行で進めることが可能です。

一方、戸籍の束を提出する場合は、提出→返却を待つ→次の機関に提出、という流れを繰り返す必要があり、どうしても時間がかかってしまいます。
一覧図を複数枚取得すれば、各機関に同時に提出できるため、手続きを効率よく進めることができます。

法定相続情報一覧図の取得方法

参考:法定相続情報証明制度の手続の流れ(法務局HP)

STEP1:必要書類の収集

法定相続情報一覧図の交付を受けるためには、主に以下の書類が必要です。

①被相続人(亡くなられた方)の戸籍関係書類


→被相続人の出生から死亡までの連続した次の戸籍を収集します。
・戸籍謄本
・除籍謄本
・改製原戸籍謄本

②被相続人の住民票の除票または戸籍の附票


→被相続人の最後の住所を確認するために必要です。

③相続人全員の現在の戸籍謄本(抄本)


→被相続人が死亡日以後に発行された戸籍謄本または抄本が必要です。

④相続人全員の住民票の写しまたは戸籍の附票 ※任意


→相続人の住所は記載するか選択できますが、原則として記載しておくことをおすすめします。
住所を記載しておくことで、相続登記などの各種手続きにおいて、相続人の住所を証する書類(例:住民票の写し)の提供が省略できる場合がありいます。

⑤申出人の本人確認書類


→申出人の氏名・住所を確認できる公的書類を提出します。
・運転免許証(表裏両面)のコピー
・マイナンバーカード(表面)のコピー
・住民票の写し など

※上記④の書類とは別に、住民票の写しを本人確認書類として提出したい場合…住民票の写しをコピーしたうえで、「原本と相違ありません」と記載・申出人の署名が必要です。


【委任による代理人が申出の手続きをする場合】


⑥-1 委任状
⑥-2(親族が代理する場合)申出人と代理人が親族関係にあることが分かる戸籍謄本
→提出済みの書類で親族関係が分かる場合は不要
⑥-3(資格者代理人が代理する場合)資格者代理人団体所定の身分証明書の写し等


【補足事項】


・被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合などは、相続人を確定するために、被相続人の父母や祖父母の戸籍謄本などが追加で必要になることがあります。

・同一の申出人が同じ法務局へ同時に複数件の申出をする場合は、各申出で共通する戸籍などの書類は1通提出すれば足ります。

・郵送で申出を行う場合は、提出書類をレターパックプラス(赤)で送付し、返送用としてレターパックプラス(赤)を同封する方法がおすすめです。交付された法定相続情報一覧図や返却される戸籍謄本などを安全に受け取ることができます。

STEP2:法定相続情報一覧図の作成

集めた戸籍関係書類をもとに、被相続人と相続人の関係を一覧図として作成します。法務局で公表されている様式を利用すると作成しやすく、審査もスムーズです。

なお、一覧図には細かな記載ルールがあります。

例えば、

・申出人の氏名の横に「(申出人)」と記載すること
・最終行に「以下余白」と記載すること

など、見落としやすいポイントもあります。

記載内容に誤りがあると補正(訂正)を求められるため、正確に作成することが大切です。

STEP3:申出書の記入、法務局へ提出

作成した一覧図と申出書、必要書類一式をそろえて、管轄の法務局(登記所)に申出をします。

申出先は次のいずれかを管轄する法務局です。
・被相続人の本籍地
・被相続人の最後の住所地
・申出人の住所地
・被相続人名義の不動産所在地

窓口へ持参するほか、郵送での申出も可能です。

法務局で内容が確認され、問題がなければ認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」が必要な通数、無料で交付されます。

なお、提出した戸籍謄本等の原本も、このとき返却されます。

「法定相続情報一覧図」と「相続関係説明図」の違い

相続の手続きを調べていると、法定相続情報一覧図とよく似た名前の「相続関係説明図」という書類が出てきます。どちらも、被相続人(亡くなられた方)と相続人との関係を家系図のようにまとめた書類ですが、役割や利用できる場面は大きく異なります。 この2つを混同してしまうと、必要な書類が不足し、手続きがやり直しになる可能性もあるため、違いを理解しておくことが大切です。

◆法定相続情報一覧図
法務局が戸籍を確認したうえで認証する公的な証明書です。
そのため、多くの金融機関や証券会社、保険会社、法務局などで戸籍謄本一式の代わりとして利用できるという大きなメリットがあります。

◆相続関係説明図
相続関係を分かりやすく整理するために申請人や司法書士などが作成する補助資料です。
法務局の認証はなく、戸籍謄本の代わりになるものではありません。主に相続登記の際に戸籍謄本一式とあわせて提出し、戸籍謄本の原本還付を受けるための資料として利用されます。

つまり、法定相続情報一覧図は「法務局のお墨付きがある戸籍謄本の代わりとなる公的書類」、相続関係説明図は「相続関係を分かりやすく示すための補助資料」という違いがあります。

相続手続き全体を効率よく進めたい場合は、金融機関や証券会社など複数の手続きを予定しているケースでは、法定相続情報一覧図を取得しておくと、戸籍謄本を何度も提出する手間が省け、スムーズに手続きを進めることができます。

よくある質問(FAQ)

Q1.法定相続情報一覧図に有効期限はありますか?

一覧図自体には有効期限が定められておらず、発行から何年経っていても相続登記などに利用できます。ただし、銀行や証券会社など提出先によっては「発行から3ヶ月以内」「6ヶ月以内」といった独自の期限を設けている場合があるため、事前に提出先へ確認しておくと安心です。なお、法務局での保管期間は申出日の翌年から5年間であり、この期間を過ぎると再交付は受けられなくなります。

Q2. 相続放棄をした人や、遺産分割協議で相続しないことになった人も記載されますか?

はい、記載されます。法定相続情報一覧図は、あくまで戸籍謄本等の記載に基づいて「法定相続人が誰か」を明らかにするものであり、相続放棄や遺産分割協議の結果は反映されません。そのため、実際には相続分を持たない方の氏名も一覧図には載ります。一方で、家庭裁判所の審判により推定相続人から廃除された方は、相続権自体を失っているため記載されません

Q3. 交付までどのくらいの日数がかかりますか?

法務局が交付までの日数を公式に定めているわけではありませんが、書類に不備がなければ、申出からおおむね1〜2週間程度で交付されるのが目安です。法務局の混雑状況によって前後することがあるため、余裕を持って申出することをおすすめします。

Q4. 母の相続手続き中に父も亡くなった「数次相続」の場合はどうなりますか?

法定相続情報一覧図は「被相続人一人につき一つ」作成するのがルールです。そのため、数次相続(相続手続きが終わらないうちに次の相続が発生すること)が起きている場合は、亡くなった方ごとに一覧図を作成する必要があります。母・父と2回相続が発生していれば、一覧図も2枚必要になるということです。

Q5. 相続人の一人が取得した一覧図の写しを、他の相続人も使えますか?

申出(一覧図の保管申出)自体は代表相続人が行いますが、写しは必要な通数をまとめて無料で交付してもらえます。そのため、あらかじめ人数分・提出先の数だけ多めに発行しておけば、他の相続人もそれぞれの手続きで同じ一覧図の写しを利用できます。ただし、5年間の保管期間経過後の再交付は、当初の申出人(またはその委任を受けた方)に限られる点に注意しましょう。

まとめ

法定相続情報一覧図は、相続登記をはじめ、預貯金の払戻しや相続税の申告など、さまざまな相続手続きをスムーズに進めるための心強い制度です。取得には戸籍謄本一式の収集や一覧図の作成といった手間がかかりますが、一度取得してしまえば、その後の手続きの負担を大きく減らすことができます。

法定相続情報一覧図は非常に便利な制度ですが、戸籍の収集や相続関係の確認、一覧図の作成には専門的な知識が必要になることも少なくありません。特に、代襲相続や数次相続、兄弟姉妹が相続人となるケースでは、必要となる戸籍が増え、相続関係も複雑になります。

当事務所では、戸籍収集から一覧図の作成・申出まで一括して対応しております。
「戸籍謄本の集め方が分からない」「一覧図をどう作成すればよいか不安」「法務局への申出を任せたい」など、お困りの際はお気軽にご相談ください。

鹿児島で相続手続きを考えるなら|北斗司法書士事務所

鹿児島で相続手続きや戸籍収集にお困りの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。私たちは、鹿児島市において多くの相続手続きのサポート実績があり、相続登記を含む相続に関する手続きをワンストップでご提供しています。

また、相続税に関する手続きが必要な場合は、提携する税理士をご紹介いたします。相続トラブルを未然に防ぐためのアドバイスも行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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